2008年6月13日金曜日

金色のルースト


これはアナハイムでタイムアタック中のブレット・メットカーフ選手。
アナハイムスタジアムの壁は高くそびえており、太陽が少し傾いただけで陽当たりはコースだけになってしまう。観客席は日陰となり、明るいコースから見ると真っ暗く落ち込んでる。
コースのちょうどいい所にサンドセクションがあって、しかもこのタイムアタックは太陽光線がギリギリ入って来る時間なのでなお良い具合。数々の条件が重なって跳ね上げたルースト(砂)は金色に輝くという訳なのだ。
ところでこの写真はしみじみ格好良いと思います。正確に言えば、格好良いのは写真じゃなくてライダーなんだけど…。
普通は意識することもないと思いますが、ライダーの動きを良く見て下さい。例えば頭の位置や前傾姿勢の角度、ガバッとアクセルを開けながら水平になった腕。でも外に開き過ぎず、体に寄せられた肘。ぐっと入った右肩、スルッとしながらしっかり支える左肩から左手まで。腰も膝も太腿も足も、全てバッチリ決まっています。
20年前に先輩から「AMAライダーが格好良いのは、頭のてっぺんから手の指、つま先まで本当に全身を使ってバイクを絶妙のバランスで走らせているからだ」と聞いたのを思い出す。今でもそのままぴったり当てはまる話です。
しかも、たぶん250Fで世界一馬力が出ているプロサのKX−Fを、半クラッチまで使って150%アクセル全開にしてるんだから、格好良いに決まってます。
このメットカーフ選手ですが、ヤマハオブトロイ時代に周りが全部4ストになっても、最後まで2ストで頑張っていた。パワー的に厳しい2ストなのに、時々成績も良かったから注目も集まったが、なんたってその全開っぷりにシビれた。
スーパークロスはバイクコントロールが勝負。アクセルの開けで勝負が決まるわけじゃないけど、こういうシーンがあると撮らずにはおられないんです。