2008年6月10日火曜日

2秒後ろに居る


08シーズンのAMAスーパークロス(1月5日開幕〜5月3日最終戦)におけるジェームス・スチュワートの優勝はたった1回でした。
シーズンが始まる前、ファンは「無敵のスチュワートは2年連続チャンピオン間違いなし」と信じ、むしろ興味は「連勝記録、連続タイトルをどこまで伸ばすか」…であったはず。
ところがいざ08シーズンが始まってみると、そのスチュワートは開幕戦はマディで転倒し2位に終わる。このレースを制したのはチャド・リード。
第2戦のフェニックス。コンディションの整ったドーム球場はスチュワートに有利だったはずですが、練習走行から予選までリードとのタイムがあまり開きません。さらに決勝でもリードはスチュワートに食い下がります。20秒も30秒もブッちぎるはずが、ふたりの差はたったの2秒。スチュワートがリードを辛くも振り切って優勝、というシーンがこの写真です。つまり写っているのはスチュワートですが、僕が写したのはリードのじわっとしたプレッシャーなんです。
シリーズスポンサーのモンスターエナジーに合わせ、グリーンに炸裂する派手な花火の演出の中、冷めたジャンプでゴールするスチュワート。やっぱりリードが2秒後ろに居る状況ではプライドが許さないのでしょうか?
そしてシーズンの行方を混沌とさせるリードの粘りのある走り。次戦以降は混戦となりそうだ、と期待が高まりました。ところがスチュワートはシーズンオフに痛めた膝を理由に第3戦の予選以降を欠場。リードは4戦連続優勝し、2度目のチャンピオンを獲得。ふたりは明暗を分けたのでした。

さてスーパークロスシリーズが終了した2週間後の5月25日にアウトドアモトクロスシリーズが開幕。これに合わせ復帰したスチュワート。このブログを書いた時点では、開幕から3戦6ヒート連続優勝と絶好調。
リードはこのアウトドアシリーズには参戦していませんが、パドックではふたりのチーム移籍話で話題沸騰。ふたりの戦いはこんな所でもホットです。